それはまぁそうだろう。一度氷水に浸かったわけで。
 待てよ。
 氷だ。
 さっき先輩にフェチ呼ばわりされたことだし、氷を使ったフェチなプレイで
お返ししてあげなくては。
 先輩の胸を揉んでいた両手を離し、ボウルに浮いている氷を掴む。

「あ……え……?」

 突然胸の愛撫を中断されて、先輩が目を見開いた。

「あの、あのっ……遠野くん?どうして……?」

 ―――どうして、やめちゃうんですか?
 そう聞きたいんだね、先輩?
 俺はわざとらしく壁の時計を見た。

「だってさ、こんなことしてたら遅刻しちゃうよ?」
「そんな……っ!時間なら、まだ……」

 先輩が唇を震わせる。

「時間なら、まだありますっ!だから……やめないで下さい……」

 哀願しながら、先輩がお尻をぐっと突き出して来る。
 お尻の割れ目に、俺の物が挟まれる格好になる。

「やん!当たってますっ!」

 そう言いながら、先輩が腰をもじもじさせたからたまらない。
 とっくにかちかちに朝立ちしていた物が、さらに怒張する。

「先輩…わざとやってない?」
「そ、そんなこと……」
「そんなこと…何?」

 そう尋ねながら、氷で円を描くようにして、ブラウスの上から先輩の乳首の
周囲をなぞってみる。

「ひゃう……っ!つ、冷たいですっ!……あ、あはぁ……んく……」

 ブラウスが濡れて透け透けになり、ブラジャーの模様がくっきりと浮かぶ。
 さらに先端に集中して氷を滑らせて行くと、ブラの上からでもこりっとした
感触がわかるようになる。

「あ。先輩の乳首、ここだね?……勃ってる?」
「確かにそこですけどっ……!へ、変な聞き方しないで下さいっ!」

 抗議する前に律儀に反応してくれるあたり、実に先輩らしいというか。

「あ……」

 思わず苦笑したとたん、指が滑って氷を落としてしまった。
 まあいい。ボウルから別の氷を取ればいいことだ。
 でも、その前に。
 先輩の両手を取って、ブラウスの前に持って来る。

「先輩…ボタン、外して」
「は…はい……」

 シエル先輩はせかせかとボタンを外し始める。
 その間に、俺は左腕を先輩の腰に回した。
 そうしておいて、右手でショーツの上から襞に沿って撫でてみる。
 ショーツの生地のすべすべした感触が、途中から熱く湿った感触に変わる。

「あれ?先輩、もうこんなに濡らしてるの?」
「う……」

 先輩が顔を背けたので表情は見えなかったが、耳たぶが真っ赤に染まった。
 すかさず、ショーツの上から人差し指と中指を抉り込む。

「あぅっ!」

 びくっと腰を引こうとする先輩を、左腕でがっちり押さえ込んだ。
 今度はクリトリスに集中して刺激する。

「あ…っ!はん……はぅ……ん……ぅああんっ!」

 先輩が背中をのけぞらせて喘ぎながら腰をくねらせる。
 ボタンを外す手は、上からよっつまでで止まっていた。
 左手で先輩の敏感なところを転がしながら、右手を、濡れてぴったりと肌に
張り付いたブラウスを剥がすようにして胸元に差し込む。
 そして、ブラのホックを弾いた。
 カップをちちの上にずり上げる。
 シエル先輩のちちは、氷による愛撫で鳥肌が立っていた。
 温めるように、ちち全体を掌で覆う。
 ちちを軽く揉むついでに、指の間に乳首を挟んで刺激するのも忘れない。
 グミみたいな感触だった乳首が、ますます固く張り詰めて行く。

「あ……あぁ……」

 先輩の腰の動きが変わった。
 円を描くように、俺の指にクリトリスを圧し付けるように。
 強く。

「ん………っ!」

 先輩がシンクの縁を両手で掴んで身体を支え、肩を震わせた。
 軽く逝きかけたみたいだ。

「はぁ…はぁ…はぁ……」

 先輩ががっくりと頭を下げたまま、顔を横に向けた。
 腕の横から、哀願するような目を俺に向ける。

「遠野くん……私、もう……」

 まだまだ。
 右手をボウルに伸ばし、また氷を掴んだ。
 それで、先輩の乳首をじかに刺激する。

「きゃんっ!」

 先輩が甲高い悲鳴を上げた。
 ちちだけ責めるのも飽きて来たし、氷を持っている指が凍えても来たので、
すっかり角が取れて丸く小さくなった氷を、シエル先輩の口に押し込んだ。
 その後から、すっかり冷えた指を先輩の口にねじ込む。

「んっ…ちゅっ……ふぅ…む……っ…ん……」

 指示するまでもなく、先輩が指に舌を絡めて来る。
 先輩の口の中で、俺の指に冷たい氷と熱いシエル先輩の舌が交互に触れる。
 この感触で、ちょっとした悪戯を思い付いた。

 先輩の口から指を抜くと、顔を引き寄せて背後からキスする。

「んふぅ……は…くぅ…ん……んっ……ふ…っ」

 喘ぎながら、先輩が夢中で応えて来る。
 舌で歯茎のあたりを擦るようにすると、先輩がぶるぶる震えた。
 普段そういうことはしないから、結構新鮮だったみたいだ。

 両手で、ぐっしょり濡れたショーツを苦労してずり下げる。
 先輩の唾液でべたべたに濡れた右手の指を揃え、先輩の膣にあてがう。
 中指の先が、ほとんど抵抗もなく、ぬるっと体内に滑り込んだ。
 浅く抜き差ししながら軽く指先を曲げ、ちょっと壁を引っ掻いてみる。

「あっ!…あはぁぁぁっ!」

 シエル先輩の膝からかくんと力が抜けた。
 シンクにしがみ付くような格好でかろうじて身体を支えて肩で息をしている
先輩の横から右手を伸ばし、また氷を掴む。
 左手の指で襞を左右に押し分け、先輩の膣口を開くようにする。
 すっかり濡れ切っているそこから、愛液が太腿に垂れている。

「あ……そこ……あんまり……あんまり見ちゃイヤです……っ!」

 羞恥に背中を震わせる先輩に構わず、さらにそこを開く。
 そして、右手の氷を先輩の中に押し込んだ。

「きゃあぁっ!……つ、冷た…冷たい!遠野くんっ…い、今、何を……」

 ぱんつを引き下ろしながら答える。

「うん。氷を入れたんだ――先輩の中に」
「え……っ?」

 シエル先輩が、ぎょっと目を見開いて振り返った。
 ほぼ同時に、俺は先輩の腰を掴んで引き付け、思い切り腰を突き出した。
 がちがちに固くなっていたペニスが、先輩の膣に吸い込まれる。

 いきなり、思い切り動いた。

「んんんんんん……あぁぁぁぁっ!」

 奥まで突いて行くと、冷たい氷がごろごろと亀頭にぶつかって来る。
 ぎりぎりまで抜いて行くと、今度は熱い先輩の肉襞が絡み付いて来る。

「ひぃっ…ぅあ…い、いい…熱いのと…冷たいのが……あ…あぁ……っ!」

 先輩も、普段とは違う感覚に乱れている、みたいだ。

「あん、あん、氷が…ごろごろ……あぅ、当たって…あんん………っ!」

 いつもより、先輩の中が、熱い。
 いつもより、先輩の締め付けが、きつい。
 ちょっと気を抜くと、そのまま果ててしまいそうだ。

「あ、あぁ!もっと!もっと……もっと突いて…下さい……っ!」

 突き入れるたびに、後から後からとめどなく愛液が溢れて来る。

「お、奥に…当たって…ます…っ」

 引き抜こうとするたびに、絡み付いて捲れ返る襞から湿った音が響く。

「あっ。待って、待って…抜いちゃ……やです……んふぅ…んんん……っ」

 再び腰を突き出し、抵抗を押し分けるようにして、奥まで。
 熱い先輩の膣内で、小さな氷はすっかり溶けてしまったみたいだ。

「く……っ!凄……熱…っ。シエルの……中……」
「あ、あはぁぁっ!私、私も…熱い……です……っ……遠野くん……のっ!」
「う。ごめんシエル。俺…もう……」
「は、はいっ……い、いいですっ……出して…下さい……」
「く……っ!」
「あああああはあぁぁぁぁぁ!」

 先輩が絶頂に達したのか、大きく首をのけぞらせて叫んだ。
 同時に、俺も先輩の中に放つ。

「あ……っ!熱ぅい……んんん……ぅ……っ!…あああ……ふっ!」

 先輩の頭が、くたっと下に落ちた。
 しかし、先輩の中は、独立した生き物みたいに蠕動する。
 まるで、俺の精液をペニスごと吸い込もうとするみたいに。
 おかげで、余韻を味わうどころか、たった今射精したばかりだというのに、
俺のペニスはちっとも勢いを失わない。

 再び、ゆっくりと腰を動かし始める。
 半分ほど引き抜いてから、ぐっと奥まで。
 じゅぶっ…と、氷水と精液と先輩の愛液の混じった、白濁した生ぬるい水が
噴き出し、俺と先輩の脚を伝って流れ落ちた。

「あ…………」

 シエル先輩が、頭を垂れたまま俺の動きに合わせて腰を動かして来る。
 両手で先輩のちょっと大きめのお尻を掴んで、力任せに引き寄せる。
 先輩も爪先立ちしてお尻を高く突き上げて協力してくれる。
 その体勢だと、先輩のお尻の穴が丸見えになる。

「ここも、可愛がってあげないとね」

 まずは右手をお尻から離し、先輩の太腿に滑らせる。
 先輩の膣から溢れた愛液を指先にたっぷりと掬い、濡れた人差し指を先輩の
アナルにあてがう。
 特に力を入れてなんかいないのに、じりじりと指先が入って行く。

「と、遠野くん……?ま、またそっちでするんです…か……んっ……」
「うん。だから、よくほぐしておかないと」
「遠野くん、目が物凄くいやらしいです」
「先輩のここは、もっといやらしいんだけど?」

 言いながら、くっと指先を曲げて上を引っ掻く。

「きゃん!」

 先輩の前と後ろが、同時にきゅうううっと締まる。
 さらに、先輩がお腹に力を入れ、意識的に締めて来る。

「う……っ!」

 凄い圧迫感に、思わず声が漏れてしまう。

「く…っ!もっと、もっと突いて……くだ…さい……」

 ぐぐぐと抵抗を押し分けて腰と指を進める。

「んんんああぁぁぁぁぁっ!」

 先輩の肩が大きく震えるのが見える。
 一瞬締め付けが緩み、すぐにそれまで以上にぐっと締まる。
 圧迫感をじっくり味わいながら、じりじりと抜いて行く。
 雁と指先が引っかかるような感じで、なかなか抜けない。
 それがまた、酷く気持ちがいい。

「あん、あん、あぁ、あぅ…もっと、もっと!もっと!」

 先輩の声がだんだん大きくなる。
 こっちも腰を先輩のお尻にぶつけるようにして突き入れる。
 無意識に、歯を食い縛っていた。

「あぁ…そっちも、もっとズボズボして…下さいっ!」
「そっちって?」
「う………」

 背後からでも、先輩がぼっと顔を赤らめたのが見て取れた。

「お、お尻…です」

 シエル先輩が、蚊の鳴くような声で答えた。
 ぴたり、と腰と指両方の動きを停めて聞き返す。

「聞こえないよ?先輩、今、何て言ったの?」
「お、お尻ですっ!お尻の穴に入れた指を、もっとズボズボして下さいっ!」

 先輩がほとんど叫ぶように言いながら、お尻を突き出して指を迎えに来た。
 そこまでされては、こっちも応えないわけには行かない。
 腰と指の抜き差しを再開した。
 思いっきり、速く。

「ぐぅ…あぁ、あぁ!あぁん!あん!あん!あん!」

 先輩の声のトーンがどんどん上がって行く。
 俺は、渾身の力を込めて、ずんずんぶつかるようにして動き続ける。
 先輩の中は、熱く蕩けている。
 こっちの頭の中まで蕩けそうだ。
 実際、既に半分蕩けているかもしれない。
 既に、時間の感覚を失っていた。
 どれくらい動き続けたんだろう?
 わからない。

「んあぁぁぁ………っ!」

 トツゼン、先輩がシンクにしがみ付くようにして絶叫を上げた。
 先輩の膣内が、これまとは違い、細かくざわざわと蠢く。

「う。う―――!」

 もう、我慢出来なかった。
 再び、どくどくと大量に出していた。

「あぁ……は………」

 ため息とともに、先輩の全身から力が抜けた。
 膝がかくんと折れ曲がり、シンクにもたれかかる。
 その動きで、俺のモノと指が先輩から抜けた。

 シンクに突っ伏したまま喘ぐように息を荒げているシエル先輩の、ちょっと
大き目のお尻をぼんやりと眺める。
 弛緩して、まだ閉じ切っていない膣口から、白濁液が溢れている。
 そして、指で愛撫されて綻んだお尻の穴がひくひく震えているのが見える。
 俺を、誘うように。

「――――――!」

 まだ呼吸も整っていないのに、ある部分の戦闘体勢だけは整っていた。

 さっき、氷を入れた膣に挿入したら、先輩が普段よりもよがっていたので、
お尻でも同じことをしてやろうと思った。
 しかし、ボウルを覗き込んでも、もう氷は残っていなかった。
 全部溶けてしまったみたいだ。

 特に意味もなく、キッチン全体を見回してみる。

 テーブルの上に置かれた皿の中の、綺麗に殻を剥かれたふたつのゆで卵。

 そこに、目が行った。

 そうだよ――――
 冷たい氷がないなら。
 熱い、ゆで卵で。

                                      《つづく》