シエルが頷くと、秋葉が応える。いつの間にか以心伝心の二人は決意も新た
に立ち上がり、そのまま――

 押入に走って布団の引っぱり出し、志貴と琥珀の布団にくっつける。

 股間にそそけだつような快感に襲われながらも、志貴はいきなり突飛な行動
に走り出した二人の行動を見守る。やがて、布団を敷き終えたシエルと秋葉が、
横たわる志貴の側にやってくる。

「へ?二人とも……う……」
「……遠野くん、決めました。もう、これ以上考えるのはナシです」
「……抜け駆けは許しません、琥珀……」

 思い詰めた表情の秋葉とシエルは、二人でぷちぷちと服のボタンを外し、志
貴と琥珀が見守る中で二人とも服を脱ぎ捨てていく。
 琥珀はそんな二人の様子を見ながらも、志貴を責める手を止めない。志貴の
強ばった肉棒を舐め上げ、舌を振るわせて志貴の筋を刺激する。

 やがて、シエルがショーツだけの姿に、秋葉がキャミソールだけになって横
たわる志貴を見下ろすと、二人とも得体の知れない笑いを浮かべている。
 股間を琥珀に押さえられ、下着姿の秋葉とシエルに囲まれた志貴は狼狽し、
咄嗟に逃げ出そうとするがすぐさま三人によって押さえつけられる。

「遠野くん、遠野くんがどうしたいか言えばいいのに、そうやって流されて琥
珀さんにされちゃってるから、私たちもこうするしかなかったんです」
「こうするって、先輩……」

 真顔だったシエルは、そんな脅える志貴を見て相好を崩し、黙って志貴の腕
を腕を取り上げるとふにゅり、と柔らかい剥き出しの胸に押し付ける。
 そんなシエルの挑発的な仕草の横で、秋葉が志貴に覆い被さる。

「兄さん、往生際が悪いですね……だから、三人で一緒にしようって言ってい
るんですよ」
「なーっ、なーっ、なーっ!秋葉、お前はーっ!」

 もはや志貴の叫びは人語を為していない。こうやって喋っている間にも琥珀
は志貴の股間を刺激し、肉棒を口に含んでフクロを片手で刺激する。
 頭は混乱状態に沈み、感覚は三人の女性の女性の刺激を送り続けてくる。志
貴は全くどうして良いのか分からなかったが、とりあえず抗議の叫びを口にする。

「秋葉ーっ!おまえは義理とはいえ妹だろーっ!」
「もう、そんなこと関係有りません!私にひとりぼっちで外で待ってろ、なん
てひどいことを言うのですか兄さんは!」

 秋葉はそうじれったそうに言うと、志貴の胸元に抱きつく。秋葉の細い身体
の感触が押し当たり、その細いがなまめかしい感覚に思わず志貴は声を上げそ
うになる。
 そんな志貴の唇を、シエルが唇で塞ぐ。二人の眼鏡がかちりとぶつかり合っ
て音を立てる。

「あ、志貴さまも楽しんでらっしゃいますね……ここももう大丈夫みたいです
し。それでは志貴さま、よろしいですか?」

 琥珀の声は聞こえるが、上半身はシエルと秋葉によって占領されいる志貴に
はそれに答えようがない。シエルと舌を絡めて接吻しあい、秋葉が上着を脱が
せていく手の動きを感じながら、志貴はその言葉になんとか頷こうとする。

 まるで、この二人は琥珀がするのを俺から隠したがっているような――と思
う志貴であったが、はねのける気にはなれない。

 琥珀は唾液に濡れ、かちかちになっていた志貴の肉棒を指先でしばらく弄ん
でいたが、やがて腰を起こすと、和服の裾を前から割ってその間に太股を露わ
にする。
 琥珀は志貴の上に跨ると、片手で志貴の肉棒を添えて位置を確かめる。自分
の秘所に指を触れ、僅かにその肉の唇を開き、志貴の先を当てる。

「んー……はぁっ……」

 まだ濡れ方の足りない琥珀には、志貴の逸物はきつい。入り口に志貴の亀頭
が入り込んだ時点で、一旦琥珀は動きを止める。
 志貴の方も、自分の分身を締め付ける琥珀の肉の感覚を感じ取っていた。だ
が、それに集中は出来ない――その上に、さらにシエルと秋葉が重なっている
のだから。

 琥珀は腰を止めていたが、少し間をおくと腰を志貴に向かって下ろしていく。
少し進んでは止まり、止まっては進む。琥珀の内側はきゅうきゅうと志貴の肉
棒を締め付け、奥へと飲み込んでいく。その感覚と言ったら――

「あっ……うん……全部、はいりましたね……」

 腰を下ろした琥珀の楽しそうな声。
 志貴は、自分の逸物が全て琥珀の中に包まれてるのを知った。腰に乗ってい
る琥珀の体重と、根本の方から先の方まで肉棒を包む琥珀の内側の柔らかい感
覚。シエルの中の感覚とはまた別の――

「遠野くん、何考えて居るんですか?」

 抱き合ってキスをしているにしては、やたらに落ち着いたシエルの声に志貴
はぎょっとする。琥珀は志貴の腰の上で、少しづつ腰を動かし始める。

「せ、先輩、それは……その……」
「……まぁ、今だけは何を考えてもいいですよ、遠野くん……」

 そう言い交わすと、再びシエルと志貴は唇を合わせる。秋葉は志貴の胸板に
舌を這わせ、琥珀は志貴の腹筋に手をついて腰を動かし続ける。
 志貴の周りには女性の肌の立てる香りが満ち、何人も乗っかる体重の重さと
肌の熱さにを感じる。それと同時に、内からも熱がこみ上げ、汗となって志貴
の身体を伝う。

 どれほどの時間が経った頃か、志貴は限界に達していた。
 これは、秋葉を救うための義務でありシエルの為でもある、とも思う志貴で
はあるが、内心シエル以外の別の女性を抱き、その上にその目の前で琥珀の中
に射精するというのはひどく背徳的な行為に思えた。

 最初の内は志貴には乗れない部分もあったが、シエルと秋葉が志貴の身体を
愛撫していく内に、だんだんその辺のことが考えられなくなってくる。そして、
ぐ、と体の中がこみ上げると――

「こっ、琥珀っ!」
「あ、志貴さま……中に、中に出して……っ!」

 どくり、と志貴の股間が脈打つ。
 自分の中に熱い志貴の精が発射され、琥珀が背をのけぞらせて感じている。
志貴は射精の感覚を味わいながらも、今まで体験したことのない力の波濤を感
じ取った。

 内側から、滲み出るように力が沸いてくる。今まで感じたことのない充実と力。
 己の心臓が全く新しい血液をそそぎ込まれ、古い血液を出し切ったかのよう
な感覚。

 これが、共感者の力なのか――志貴は感嘆する。

 志貴の上の琥珀が一度二度身震いしたかと思うと、背を丸めて志貴に倒れか
かろうとする。だが、それは志貴の上から身を起こした秋葉に抱き留めらてる。
 秋葉は汗に濡れた琥珀の頬を撫でると、そっと呟く。

「……琥珀、ご苦労様。次は……私の番ね」
「あきは、さま……」

 朦朧とした琥珀の言葉を耳にすると、秋葉は琥珀の脇の下に腕を回し、琥珀
の身体を浮かせた。琥珀の腰が上がり、その中に差し込まれたまだ硬さを失っ
ていない志貴の肉棒がぬぽん、と抜ける。

 琥珀が身をどけた後には、愛液と精液に濡れた志貴の逸物が横たわっていた。
琥珀は身を横の布団に避けて横たわり、代わりに秋葉が志貴の前に経つ。

 志貴は、目の前の秋葉を眺めていた。朱黒の髪の下の白い身体はいかにも線
が細く、胸なんかぺったんこであった。そう言う意味では出るところは出てい
るシエルなどとは対照的であったが、美しさと言う意味では引け劣るものでは
ない。

 秋葉は志貴を上から下まで眺めて、何かを思い付いたかの様に人の悪い笑い
を浮かべる。

「ふふふ……兄さん、兄さんの魂を……吸い尽くして差し上げます」

 秋葉はそのまま身体を志貴に被せると、抱き合って唇を首筋に寄せる。
 吸血鬼のように、首筋から吸われるのか――志貴は一瞬身をすくめかけたが
秋葉は首筋に唇を寄せて、軽く口づけしただけであった。

 そのまま、秋葉の唇は首筋から胸へ、胸から腹へ、そしてその下へと唇を動
かして行く。そして、志貴の股間に唇をあてて、淫液に濡れた逸物を横から銜
える。

「あ、秋葉……」
「大丈夫です、兄さん……噛みちぎりははしませんから」

 秋葉の舌は丹念に志貴の肉棒と股間を舐める。まるで、琥珀の愛液と志貴の
精を舐め取るかのように舌と唇で舐め取ると、刺激によってまた硬さを取り戻
してきた志貴の逸物を掴んで、唇を寄せる。

「それでは兄さん……すこし痛いかも知れませんけど、御免なさい……でも、
兄さんを絶対危険な目に遭わせませんから」

 秋葉の声が聞こえるが、志貴にはそれに答える事は出来なかった。
 秋葉の口が当てられた肉棒の先がぬるり、と暖かい秋葉の口に入った瞬間に、
信じられないような感覚が身体を襲う。

 まるで、尾骨から後頭部までの脊髄をずるり、と抜き取られるかのような得
体の知れない感覚。痛みはないが、異常なまでの喪失感が襲いかかる。琥珀に
貰った力が心脈を守っているが、そうでなかったらその瞬間に命を落としても
無理はない衝撃。

 これが、魂を抜かれると言うことか――そんな事を思う暇もあれば、志貴の
意識は闇に包まれる。身体の感覚が瞬時に消え去り、布団が消え去って奈落の
底に落ちる。そこまでが、志貴に分かる記憶の領域だった。

(To Be Continued....)